気温が1度上昇すると糖尿病の発症率が増加する!?


暑くなってくると美味しくなるのがビールやアイスクリーム類。今年も何らかの「ひんやりスイーツ」がきっとブームになると思われますが、ちょっと気になるニュースが飛び込んできました。

 

暑い時期の運動の方は寒い時期よりも運動した「気になる」だけ!?

 

暑い時期に運動をするとたくさん汗をかくので、「運動した気になる。」「やせた気になる。」人が多く、実際に運動を始める人が多いのは冬場よりも5月以降の気温が上がってからの方だというのは、スポーツジム関係者の中ではよく言われていることです。

しかし、実際には寒い時の方が体温を維持するためだけのためにもエネルギーは使われることは以前から分かっていました。

 

気温が上がると褐色脂肪細胞が減る!?

 

今回、オランダ・ライデン大学医療センターの研究チームがイギリスの医学専門誌【BMJ Open Diabetes Research & Care】に発表した研究結果をご紹介します。

世界的に2型糖尿病の有病者数が増え続けいる一方で、世界の平均気温は100年あたり0.72度の割合で上昇していることから、同研究チームはアメリカ疾病対策センター(CDC)の報告を基に、1966年から2009年にかけて全米で発生した2型糖尿病のデータを解析しました。

その結果、アメリカでの屋外の年間気温が1度あがるごとに、糖尿病の発症率が4%前後高くなることが分かりました。

世界でも気温1度ごとに糖尿病予備群とられる耐糖性異常が0.17%増えていたと言うことです。

この研究では気温と糖尿病に因果関係が見つかったとは言うものの、因果関係が確認されたわけではないのですが、ひとつの仮説として「脂肪の燃焼を促し糖尿病を防ぐ作用のある褐色脂肪細胞は、気温が低いときに活性化する性質を持つが、気温が上昇すると褐色脂肪細胞が活発に働かなくなるため糖尿病につながると考えられています。

 

生活習慣で気を付けたいこと

 

この研究のように抗えない気温の変化による影響は考えられるものの、やはり暑い時期はビールの量が増えてしまい、ビールの食欲増進作用による食べ過ぎや、毎年のように夏になると話題になる何らかの【ひんやりスイーツ】を ”つい” 食べてしまう、大した運動もしていないのに「水分補給にはスポーツドリンク!」という思い込みから糖質の過剰摂取など生活習慣が原因となる糖尿病や耐糖性異常も否めません。

 

メディアや何となくのノリに惑わされることなく、バランスの良い食生活と適度な運動を心がけたいものですね。

 

 

 

Diabetes incidence and glucose intolerance prevalence increase with higher outdoor temperature(BMJ Open Diabetes Research and Care 2017年1月)